インテキ上海/生地商社が高級素材で魅せる/日本館おおむね盛況
2025年09月04日 (木曜日)
【上海支局】今日4日まで開かれている「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」の「ジャパン・パビリオン」は初日、2日目ともに例年よりも客足がやや鈍化したものの、総じて盛況だった。地場競合メーカーとの差別化が重要になる中、高級素材の投入が目立つ。
中国のファッション市況は振るわない。加えて、地場生地メーカーが新型コロナウイルス禍を機に備蓄サービスを始めたことで、日系生地商社のビジネス環境は厳しさを増している。こうした中、各社は付加価値を高めた高級素材の開発に力を入れている。今回展では、そうした素材を目玉に据える。
サンウェルは、中国内販で人気のワッシャー加工を施したシルク混の織物を打ち出した。シルク13%・セルロース62%・ナイロン25%で、高級な光沢感と良質なドレープ性が特徴だ。
双日ファッションは今年、日本と中国の双方で付加価値素材の開発を加速している。今回展では、ウール70%・ポリエステル18%・ナイロン10%・アクリル2%の複合素材を発信。トップ染めによる均染性に優れた深みのある色合いの織物などを訴求する。
豊島は、リネンやウールなどの天然素材を使った織物と編み物を打ち出す。リネン100%のシワ加工織物は、リネンの強撚糸使いの織物を乾燥、収縮させ、独特のシワ感を作り出す。通気性が良く、清涼感があることも特徴だ。
瀧定名古屋は、東レグループと共同開発する中国製の機能性生地ブランド「EVOTRUTH」(エボトゥルース)をアピールする。ウールリング糸を使用した天竺は、ウール65%・ナイロン35%で、タンブラー加工によりソフトな風合いを表現。ニットジャケットなど、軽くて快適なアウター向けとして提案している。