ごえんぼう
2025年09月05日 (金曜日)
毎朝4時に起きて新聞を読み、気に入った文章をパソコンで打つ。95歳になる近所のおばあちゃんの日課だ▼パソコンに触れたのは5年前。「ボケ防止に」と、区のパソコン教室に通い始めた。今では文章に合ったイラストを付けたり、孫の写真入りカレンダーを作ったりもする。六十どころか“九十の手習い”。訪ねるたび、新作をネタに話が盛り上がる。昨今問題の「老害」とは程遠いと言えるだろう▼老害の正体は「老害脳」だそう。過去の成功体験や固定観念にとらわれ、新しい考えや行動を拒否する脳の状態を指す。組織や社会の圧力に従うことで形成される右脳型と、自分の体験や価値観に固執して起こる左脳型の2種類あり、そのリスクは年齢に関係なく存在するという(加藤俊徳著『老害脳』)▼老害脳予防の鍵は、新しい挑戦と世代を超えた幅広い対人関係。先のおばあちゃんに当てはまる。面倒がらず一歩踏み出そう。