帝人フロンティア/タイ子会社の能力増強/再生ポリエステル生産20%増
2025年09月09日 (火曜日)
帝人フロンティアは、タイでポリエステル繊維の製造・販売を行うテイジン・ポリエステル〈タイランド〉(TPL)の生産能力を増やす。数億円を投資して工業繊維向け高強力再生ポリエステル長繊維などを増強する。生産能力は2024年度比20%増え、11月から年産620トン体制となる。
23年に欧州連合(EU)で廃棄自動車のリサイクルについて規定するELV規制案が発表されるなど、資源循環に向けて工業用繊維で再生ポリエステル長繊維の需要が高まっている。また、工業製品の安全性向上の観点から高強力や難燃性といった産業資材向け高機能ポリエステル長繊維のニーズも拡大している。
TPLではこれらに対応できる原糸を生産しているが、前工程設備の制約によって同じ設備で生産する工業繊維向け再生ポリエステル長繊維と、産業資材向け機能性ポリエステル長繊維の増産は困難だった。今回、前工程設備を改良することで原糸の増産を可能にする。
原糸やそれらを使用した製品として、帝人フロンティアグループをはじめ、国内・海外に幅広く販売する。将来的には、新開発の工業繊維向け機能性再生ポリエステル長繊維の生産にも設備を活用する。