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インテキ上海の日本館/独自色出し市場深耕/縫製工場の来場増える

2025年09月09日 (火曜日)

 【上海支局】2~4日に開かれた生地展示会「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」の「ジャパン・パビリオン」に出展した生地メーカーは、独自色を強めた出展で来場者を引き付けた。一部出展者からは、縫製工場の来場者が多いとの声が聞かれた。

 ニッケは、欧州メゾン向け販売で豊富な実績を持つウール100%ギャバジンの「ディープブラック」シリーズや、デニム調の「ウールデニム」などを訴求した。商談件数は前年並みで、大手ブランドやネット通販ブランドがやや減る一方、縫製工場関係者の姿が目立った。

 中国法人の青島日毛織物上海分公司の柴建副総経理は、「備蓄品のピックアップが例年以上に多かった。人気アイテムは、ウールデニムとアウトドア向け素材」と話した。

 初出展の浅野撚糸は、特殊撚糸「スーパーゼロ」のデニムやウール・リネンを使ったファッション向け素材を打ち出した。今回展のブースで初めて、スーパーゼロの中国名「朦朧紗」(モンロンサー)を発表し、認知度向上を図った。「デニムは縫製工場や貿易会社、ウール・リネン素材はブランドから多数引き合いを受けた」と、海外営業担当の吉●氏は手応えを示した。

 前多は、独自糸を使った強撚織物や二重織物を提案。中でもポリエステル混繊糸を使用した平織りで、ドレープ性、発色性、膨らみなど六つの特徴を兼ね備える「Premium6」(プレミアム シックス)が注目を集めた。商談件数は、例年よりもやや少なかった。

 クラボウは、徳島工場の染色加工技術を駆使した織物を訴求した。綿の優しい風合いをより際立たせ、滑らかで上質な素材へと引き上げた液体アンモニア加工の織物や、上品な光沢感および立体感と洗い晒し感の両立を実現した複合加工の織物が人気だった。

 コゼットは、持続冷却の編み物「イン ドライ」を前面に打ち出した。デモンストレーションを交え、気化冷却を利用し、持続的な冷却と速乾を実現したことをアピールし、多くの来場者を集めた。

(●は龍の下に天)