日本ふとん協会/国産ふとんを次世代へ/70周年で記念式典

2025年09月10日 (水曜日)

 日本ふとん協会(JFA)は5日、ブルガリホテル東京で創立70周年記念式典を開いた。70年の歩みを振り返るとともに、「ブランディング委員会」「価値創造委員会」が活動報告するなど、活気あふれる集いとなった。

 米山元章理事長は先人の活躍に敬意を表しながら、「国産ふとんが置かれた環境は厳しいが、日本の気候風土や生活様式をよく知り、細かいニーズに応えられるのは日本の工場。『JAPAN FUTON』ブランドや海外市場の開拓など次世代への取り組みを加速させる」とあいさつした。

 ブランディング委員会は、JFAのアルファベットで富士山を表現した協会の新シンボルマークを冠したJAPAN FUTONの認知度向上に力を入れる。同マークは、飲料や菓子などのパッケージデザインから企業のロゴまで多数携わるアートディレクターの石川竜太氏が手掛けた。

 公式オンラインショップの開設、SNSを通じた情報発信や短尺動画、日本ブラインドサッカー協会の競争力向上サポーターなど、認知度向上へ多角的に展開する。

 価値創造委員会は主要活動の中で優先順位の高いものから推進。寝具機械メーカーの減少で困難になってきた修理や部品調達のマッチングサポート、寝具のリサイクル、自然災害被災者への寝具提供、海外販路開拓支援から進めている。被災者への寝具提供は能登地震の際に実施。海外販路開拓では8月の「インターテキスタイル上海2025ホームテキスタイル」に初出展した。

 台風の影響で不参加となった人もいたが、式典には会員企業34社中23社と関連企業から62人が参加。JFAの評議員を12年間務めた丸三綿業の富澤順顧問に感謝状が贈呈された。

〈初の海外展で手応え〉

 日本ふとん協会は創立70周年を機に、8月下旬に中国・上海で開かれた「インターテキスタイル上海2025ホームテキスタイル」に初出展し、海外市場進出へ一定の手応えを得た。

 ふとん地製造卸の蔭山(大阪市中央区)と共同出展し、日本製ふとん「JAPAN FUTON」ブランドを訴求。中国本土をはじめ、韓国、台湾、インド、欧州などのバイヤーや寝具業界関係者らが来場し、盛況だった。

 特に羽毛ふとん、羊毛ふとん、枕への注目度が高く、「安心・安全、品質へのこだわりといった日本のモノ作りの強みが評価されていることを改めて実感した」と言う。日本伝統の和ふとんの作り方を紹介する動画にも関心が集まり、日本独自の寝具文化や製造技術を伝える機会にもなった。

 今後も継続して、日本の良質な眠り文化を世界へ発信していく。