東レとT2/自動運転輸送の実証開始/来年4月まで4回実施
2025年09月12日 (金曜日)
東レは、自動運転の開発を行うT2(東京都千代田区)と共同で、関東から関西の高速道路の一部区間で自動運転トラックによる幹線輸送の実証を行う。今月16日から開始し、来年4月までに合計4回実施する。得られた結果を基に、自動運転トラックによる幹線輸送の実現に向けて協業の可能性を検討する。
東レ製品の輸送にT2の自動運転トラックを導入することで、持続可能な物流体制構築の可能性を検証する。運行区間は、東名高速道路の綾瀬スマートIC(神奈川県)から新名神高速道路の茨木千提寺IC(大阪府)までの約400㌔に設定している。
東レが積載貨物としてABS樹脂「トヨラック」を提供し、T2が全体マネジメントと実証用車両を提供する。ドライバーが乗車し、レベル2(部分運転自動化)相当で行われる。自動運転の走行ルートと走行リードタイムの検証、想定したオペレーションパターンの有効性を検証する。
また、軽油にバイオディーゼル燃料を5%未満混ぜた「B5軽油」を宇佐美鉱油と三和エナジーが、廃食油や廃動植物油脂を原料とする「リニューアブルディーゼル燃料」を伊藤忠エネクスが供給。これらの低炭素燃料を用いた輸送の有効性も検証する。
T2は、2027年からのレベル4(高度運転自動化)自動運転トラックによる幹線輸送の開始を目指し、25年7月からレベル2自動運転トラックによる商用運行を始めている。
【ことば】自動運転レベルは、米国自動車技術者協会が定義する指標。レベル2は、ドライバーの監視の下で行われる特定条件下での高機能自動運転。レベル4は、特定の走行環境条件を満たす限定された領域の中で、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態を指す。