中国・繊維アパレル企業の25年1~6月業績 第5回 インナー・ホームウエア
2025年09月17日 (水曜日)
全社が2桁%減益か赤字
インナーとホームウエア各社の2025年1~6月の業績を見ると、全社が前年同期に比べ2桁%の減益か赤字だった。市況の低迷に加え、商品トレンド(ノンワイヤーブラの流行)と、販売チャネル(ネット通販へのシフト)の変化への対応が遅れていることが、背景とみられる。
インナーブランド「エメ」を運営する愛慕(アイム)の売上高は15億元、純利益は1億613万元で、それぞれ前年同期に比べ2・9%、31・3%減った。中高級インナー市場の低迷と、人件費などの固定費の増大、金融収益の低迷が減益要因と説明した。
「マニフォーム」などインナーのマルチブランドを展開する匯潔(ホイジエ)の売上高は15億元で1・3%増えたが、純利益は1億1960万元で10・8%減った。
主なチャネル別売上高は、ネット通販が6億7322万元で5・4%増えた。実店舗の直営店は7億935万元、加盟店は1億7875万元で、各1・8%、0・9%減った。
「コスモレディ」を展開する都市麗人(ドゥーシーリーレン)の売上高は14億元、純利益が5779万元で、それぞれ5・1%、29・8%減った。インナー事業単体の売上高は、12億元でほぼ横ばいだった。
「スリーガン」などのインナーブランドと、ホームテキスタイルの中国内販および繊維品の輸出を手掛ける龍頭(ロントウ)の売上高は8億1106万元、純利益は2219万元で、各3・4%、47・0%減った。
主力のインナーなどの編み物製衣類の売上高は、4・7%減の4億71万元。ホームテキスタイルは、55・2%増の3868万元となった。アパレルは4330万元、貿易業務は2億5112万元で、各8・9%、0・6%減った。
「エンブリーフォーム」を運営する安莉芳は、純損失が5795万香港㌦で前年同期(純損失8223万香港㌦)から赤字幅が縮小した。
ホームウエアやインナーの「フェントン」を展開する洪興実業(ホンシン)の売上高は8億2273万元で8・0%増えた一方、純利益は1148万元で81・7%減った。
主なアイテム別売上高は、ホームウエアが4億9354万元で4・6%減った半面、インナーは3億826万元で21・8%増えた。
スカーフや寝間着など、シルク使いの「ウェンスリ」ブランドを展開する万事利(ウェンスリ)の純利益は1902万元で21・0%減ったが、売上高は3億6065万元で8・2%増えた。(上海支局)