東レ、日東製網、舘浦漁協/ポリエステル漁網も再生へ/大型定置網で試験操業
2025年09月17日 (水曜日)
東レと日東製網、舘浦漁業協同組合(長崎県平戸市)は連携し、循環型社会実現と海洋プラスチック問題の解決に向けて「漁網to漁網ポリエステルリサイクル」に取り組む。8月から舘浦漁協による試験操業が始まった。2026年2月からの実用化を目指す。
近年、海洋プラスチック問題に対応するため、網やロープなど漁具も環境配慮型素材・製品への切り替えが検討されている。漁網で使用するナイロン繊維はリサイクルの取り組みが進められ、リサイクルナイロン製漁網の導入も始まった。
今回、東レと日東製網、舘浦漁協の3社でポリエステル繊維製の漁網でもリサイクルの取り組みを開始する。日東製網は漁網製造時に発生する端材や工程くずを材質ごとに分別している。分別したポリエステル繊維を東レがリサイクルポリエステル樹脂の原料の一部に使用し、バージン原料100%と遜色のない漁網用原糸を製造する。この原糸を使い、日東製網が従来の漁網と同等の品質を実現した「漁網to漁網ポリエステルリサイクル」に成功した。
漁網to漁網ポリエステルリサイクルを舘浦漁協が8月から大型定置網漁に使用する試験操業を開始した。試験から得たデータを基にリサイクルポリエステル漁網の市場適合性や妥当性などを検証。適用範囲の見直しなども進めながら、26年2月から発売し、社会実装を進める計画だ。
東レと日東製網は、試験操業からのフィードバックも生かし、工程くずなどプレコンシューマ―材料だけでなく、使用済み製品などポストコンシューマ―材料を原料とする原糸と漁網の開発にも取り組む。