緑十字展/現場の“安心”支える提案続々と/負担軽減や保護具に焦点
2025年09月17日 (水曜日)
安全衛生保護具・機器の総合展示会「緑十字展2025」が、10~12日の3日間、インテックス大阪で開かれた。高齢化や人手不足といった課題を抱える労働現場では、作業者の身体的負担を軽減し、安全を確保する取り組みが求められている。こうした現場の課題に応える製品が並び、作業従事者や安全衛生担当者の関心を集めた。
身体負担の軽減では、作業をサポートする製品が注目された。クラボウは、腰への負担を姿勢からサポートするアシストスーツ「CBW」を紹介。パンツ地をユニフォームと同色にするなど、製品のカスタマイズ性も強調した。
ミドリ安全(東京都渋谷区)は、腰部保護ベルトとパンツが一体になった「楽腰パンツ」を展示。従来のベルト着脱式に加え、通常のパンツと変わらない見た目の「ライト」タイプを新たに投入し、選択肢を広げた。
足元の安全対策も充実が見られた。JSAA規格認定品のプロテクティブスニーカーでは、作業用手袋製造卸のおたふく手袋(大阪府箕面市)が、ダイヤル式締め具のモデルを新たに投入。ダイヤルによって締め付けを微調整でき、快適なフィット感を実現する。ミズノは、通気に特化した「オールマイティVH11L」を展示。ソール側面に設けた八つの通気孔から、シューズ内の空気を外に排出する機能を紹介した。
安全靴と併用する靴下にも工夫が見られた。靴下製造・販売の助野(富山県高岡市)は、日本製紙と共同開発した安全靴専用靴下を披露。同社の着圧ソックス「らく圧」をベースに、作業現場向けに吸水速乾性を高めたふくらはぎサポーターも合わせて展示した。
帝健(大阪市北区)が開発した「転倒禁止ソックス」は、つま先が自然に上がる構造でつまずきにくくなる。サイズフリー仕様で、導入のしやすさも配慮する。
特殊な現場に特化した製品も協業を通じて開発が進む。手袋・鞄を企画製造販売するダイコープロダクト(香川県さぬき市)は、四国電力と共同開発した耐圧グローブ「プレスガード」を展示した。指に耐圧板を配置し、上下に加わる最大約400㌔の荷重から指を守る構造が高い関心を集めた。助野も、北陸電気工事(富山市)との共同開発による配電作業に特化した耐切創グローブを紹介した。
このほか、暑熱対策に寄与するウエアラブルデバイスも多数出品された。クラボウの「スマートフィット」は、クラウド型のシステムにより、作業者の暑熱作業リスクや転倒を遠隔から可視化でき、導入現場は約1200カ所に達する。安全保安対策商品を開発・販売する昭和商会(名古屋市昭和区)は、脈派から深部体温の変化を推定し、暑熱リスクを音や光、振動で知らせる「サーマバンド」を発信した。