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シキボウ・メルテックス 「パルパー」の生産引き継ぐ

2025年09月18日 (木曜日)

 インドネシアにあるシキボウの紡績・加工子会社、メルテックス(東ジャワ州モジョケルト)はユニチカから複重層糸「パルパー」の生産を引き継ぐ。閉鎖が決定したユニチカの在インドネシア紡績工場、ユニテックス(西ジャワ州ボゴール)から必要な生産設備の移転を終え、このほど試験生産が始まった。

 パルパーはポリエステル繊維を芯とし、それを綿で包み込む構造の紡績糸で、ユニチカが発売してから今年で50周年を迎える商材だ。ポリエステルと綿の良さを併せ持ち、衣料品をはじめさまざまな縫製品に使われている。これまで常盤工場(岡山県総社市)とユニテックスで生産してきた。

 ユニチカの繊維事業の譲渡の一環で、今年6月にシキボウがパルパーの商権と取引先を引き継ぐことが公表されていた。

 メルテックスは9月までにユニテックスの工場があるボゴールからモジョケルトへと生産設備の一部を移管した。譲り受けたのは紡績前の準備工程を担う機械。現在、供給先が多いポリエステル65%・綿35%混30番単糸のパルパーをテスト生産している。近い将来、量産に移行する。

 パルパーには芯となる繊維と、それを包み込む繊維の原料を変えたさまざまなバリエーションがあるが、全品番の生産をメルテックスが引き継ぐかはまだ決まっていない。

 メルテックスの紡績能力はリング紡績を中心に5万錘、生産量で多いのは35~40番手だ。直近の生産量は月産千¥文字(G3-1004)前後。今回の移管において、ユニテックスから紡機の移管はなかった。メルテックスの既存の紡機と機能や性能が重複するものが多かったためとしている。