クラボウ 現場目線の開発強化
2025年09月19日 (金曜日)
クラボウのユニフォーム部は、最終ユーザーのニーズを捉えた生地供給に力を入れている。ユーザーへの直接提案が主体となる暑熱リスク・体調管理システム「スマートフィット」と連携し、ユニフォームと併せて提案することで、現場の声を素材開発に反映させる。
QR対応も強め、受注の拡大につなげる。
上半期(2025年4~9月)は、アパレルメーカーの在庫調整が一巡し、生地の販売量は前年同期を上回る見通しだ。これまでの値上げの影響で、ユニフォームの支給枚数が減り、販売量の回復は想定を下回った。
別注は、アパレルメーカーや販売代理店との連携強化が奏功し、大幅に増えた。合繊使いが主体のメーカーでも、綿・ナイロン混など新商品の採用が進み、全体の販売量を下支えしている。綿の「価値を感じてもらえる提案」(絹本良和ユニフォーム部長)よって、綿混素材の受注を底上げする。
前期に販売量が倍増した高通気・ストレッチの「ジェットエアー」は、今期も好調を維持。難燃「ブレバノ」も堅調で、他素材と組み合わせた複合タイプの採用も広がる。
安城工場(愛知県安城市)の閉鎖に伴い、インドネシアとタイへ設備の移管が進む。ユニフォーム地の生産が多いタイ・クラボウでは糸や生機を備蓄し、安定供給を確保する。
7月に開設したワークウエア専門の電子商取引(EC)サイト「ニューライフワーカーズ」は順調な滑り出しを見せる。同サイトでは生地供給先のメーカーのカタログ定番商品や、これから販売を伸ばしたい生地を使った自社ブランドを販売。カタログ定番商品の一部は海外からも注文が入った。
下半期は、徳島工場(徳島県阿南市)を活用してQR対応を拡充。生機の備蓄量も大幅に増やして即応体制を強化する。スマートフィットは大手企業への導入実績が信頼につながり、製造業を中心に採用企業数と使用者数が前年から倍増した。12月の「ものづくりワールド福岡」では安全衛生担当者に向けた提案を強化する。
ユニフォーム地の海外展開も加速する。6月に出展したタイの「SAFE@WORK」で販売実績が伸びつつあり、9月はインドで開催される「OSHINDIA」に初出展。インドでは内販と中東向けの需要を見据え、難燃素材を中心に販路拡大を目指す。