ファインテキスタイル メンズ向け生地開発に本腰
2025年09月19日 (金曜日)
ファインテキスタイルはウールや綿・麻などの天然繊維を中心に、尾州で製織・染色整理加工を施した女性向けの生地を手掛ける。先染め格子からファンシーツイードまで幅広く扱い、百貨店でブランド展開するアパレル企業などを顧客に持つ。近年では性別を明確化しない生地の種類も増やしていた。
ウール使いを軸に、持ち得る生産背景を生かした上で、メンズ向け企画を打ち出しながら新市場の開拓を狙う。ビンテージ感のある本格的なアメリカンカジュアルのトップス・ボトム向けや、年代物のミリタリーテーストの復刻版など、こだわりを持つメンズアパレル向けに訴求する。
メンズ向け企画は、具体的な最終製品への使用を想定している。トップ糸を平織りにして防縮加工を施した生地は、ビンテージ調のベースボールシャツなどへの使用に適する。ネップ糸の意匠性を生かしたツイードはデニムのカバーオールやジャンパーのライナー(裏地)使いとしてアピールする。
奇麗な印象を与えるミリタリー調の生地もそろえた。ポリエステル・ウール混糸を平織りにしたトロピカルは二浴染めを施してビンテージ感を表現。高密度のウール100%ツイルもそろう。いずれも“オフィサーパンツ”と言われるスラックスへの使用を意識した。
この企画の担当者は、メンズカジュアルのOEMやジーンズなどを製造販売する企業に従事した後にファインテキスタイルに入社した。今後は「当社の生産背景を生かし、本格的なモノ作りを追求しながら企画を成長させていきたい」と話した。