日清紡テキスタイル インドネシアで生産増強
2025年09月22日 (月曜日)
日清紡テキスタイルはインドネシアの繊維工場の生産設備を増強する。紡績・織布のニカワテキスタイルの紡績工程と紡績・染色加工を手掛ける日清紡インドネシアの染色工程でそれぞれ新たな生産設備を導入する。
ニカワテキスタイルは、渦流紡績機「ボルテックス」を増設する。同機の導入で糸の付加価値を高め、同時に生産コストを抑える。ボルテックス糸を使っても柔らかな風合いが得られるノウハウを新たに採用する。
ボルテックス糸の織物は一般的な紡績糸の織物よりも風合いが固くなる傾向がある。同グループの紡績工場、ブラジル日清紡が顧客の要望を受けて開発したボルテックス糸でも風合いを柔らかくする手法をインドネシアに応用する。
ボルテックス糸でインドネシア日清紡グループの主な生産品であるシャツ、シャツ地、ユニフォーム地の高付加価値化を進める。渦流紡績機の現在の錘数や増設台数は非公表。2023年に試験的に2台を導入し、新商材開発に利用してきた。現地で糸売りの構想もある。
日清紡インドネシアは年内に連続染色機1台を新たに導入して2台体制にする。生産量は現状の2倍近い月産80万¥文字(U+334E)を目指す。ユニフォームのカジュアル化に伴い、取引先から多彩な色展開や短納期対応を求められているため、設備を増やして対応する。
同社の液体アンモニア加工(液アン加工)機を応用したニットの風合い加工を本格的に始める。液アン加工は織物製のシャツの形態安定加工のために使っており、ニット地に使うケースは特定の相手の商品企画のみに限られていた。
インドネシアアパレルなどで液アン加工を施したニット地の風合いが高い評価を得ていることから請負加工の一つとしてこれから提案先を広げる。編み立てを外注して自社でポロシャツやTシャツ用途を想定した生地開発も検討する。同社によればインドネシアでニットへの液アン加工を行う工場は珍しいという。
日本国内に加え海外の売り先開拓にも力を入れる方針だ。グループ3社で紡績・製織・縫製まで一貫で高付加価値品を生産できる体制を強みに新たな販路を増やす。
外注縫製でコスト削減
日清紡グループのナイガイシャツインドネシアがインドネシア内の協力工場への発注を増やしている。
ナイガイシャツの工場があるカラワン地区の人件費が全国的に見て高い上、毎年、上昇する対策として外注を増やす。中部ジャワ地区の協力工場へ既に一部のシャツ縫製を移管しているという。