伊藤忠とメッツァG/環境配慮素材「クウラ」の可能性を語り合う
2025年09月22日 (月曜日)
伊藤忠商事とフィンランドのパルプメーカー、メッツァ・グループ(G)は大阪・関西万博の北欧館でこのほど、両社が開発・販売に力を入れるセルロースファイバー「KUURA」(クウラ)についてのイベントを実施した。
メッツァGは世界最大級のパルプメーカーで、フィンランドの森林業界におけるトップ企業として、森林管理、原木供給、パルプ生産からティッシュペーパーや木材製品の販売まで幅広く事業を展開している。中核企業であるメッツァ・ファイバーと伊藤忠は1970年代に製紙用パルプの日本向け取引を開始したことを皮切りに、2012年には伊藤忠・住生活カンパニーがメッツァ・ファイバーの株式の一部を取得するなど関係性を深めてきた。
18年には伊藤忠・繊維カンパニーとメッツァGの共同出資により、針葉樹由来のセルロースファイバーのパイロットプラントを設立することで合意した。20年には稼働を開始したが、新型コロナウイルス禍もありフル稼働には至らなかった。21年にはクウラの試験展開を開始し、バルク生産に向けて本格的に動き出している。
クウラは、木材からパルプ、原綿までの一貫生産体制を確立しており、トレーサブルで低コストな生産を実現する。また、環境負荷の少ない溶剤の使用とバイオ燃料の使用による自家発電など、環境負荷が圧倒的に少ない。
イベント内で行われたパネルディスカッションには、メッツァGのアンナ・カイサ・フトゥネン・ビジネス開発ディレクター、伊藤忠の山下眞護ファッションアパレル第一部長、アパレルブランド「THE RERACS」(ザ・リラクス)の倉橋直美デザイナー、伊藤忠ファッションシステムの山下徹也ifs未来研究所所長代行、メディア運営メディアジーン(東京都渋谷区)の遠藤祐子執行役員らが登壇し、クウラの魅力や可能性、市場の反応、パートナーシップの有効性、サステイナブル社会の実態などについて語り合った。