繊維ニュース

シキボウのメルテックス/営業利益が大幅改善/トーブ地の好調続く

2025年09月24日 (水曜日)

 インドネシアにあるシキボウの紡績・織布・加工子会社、メルテックスの2025年上半期(1~6月)業績は微増収となり、営業利益も大幅に改善した。1~9月の売上高は前年同期並み、増益となる見通しだ。中東の民族衣装「トーブ」用生地の売れ行き好調が続いていることが増益要因。

 トーブ地の好調は、現地の生地問屋などの在庫調整が終わり需要期に入ったことによるもので22年ごろから続いている。特にメルテックスが製織し、日本で仕上げ加工をして中東へと出荷する商材の高い需要が続いている。

 一方、もう一つの主力であるユニフォーム地の売り上げは定番品を中心に前年割れが続く。日本国内でユニフォームの末端価格が上昇し、消費が低調なことが要因とみられる。

 ユニフォーム市況が低調な中でも、通気性の高い生地や電動ファン(EF)付きウエア用生地の動きは堅調と言う。日本の企業が熱中症予防策を強化していることから、高通気の商品企画やEFウエアの採用が増えている。

 売上構成比率は、トーブ地が6割、ユニフォーム地が3割、ビジネスシャツ地が1割ほど。ここ数年、トーブ地が好調、日本向けユニフォーム地は低調という状況が続く。

 シキボウのトーブ地は現地で数あるトーブ地の中でも最高級品に位置付けられる。近年、シキボウ製生地の模倣品の流通量が増えているため、シキボウは対策を強化する方針。