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この人に聞く/いとや 執行役員 第二営業部長 中川 誠二 氏/業界全体で共存共栄へ

2025年09月24日 (水曜日)

 ユニフォーム製造販売のいとや(広島市中区)は、今年で会社設立から75周年を迎えた。スクールユニフォ―ムの製造と販売を担う第二営業部の中川誠二部長に会社の概要や強みを聞いた。

  ――会社概要は。

 スクールやビジネス、官公庁向けのユニフォームを手掛けています。売り上げ全体に対する割合はおおよそ、スクール60%、ビジネス40%です。私が所属する第二営業部は、スクールユニフォームの製造と販売が主力です。約200校の小中高大、専門学校に、学生服や体操服、かばん、靴など幅広い製品を納めています。

――強みは。

 75年の伝統と実績に裏付けられた誠実な対応が強みです。広島県内に6軒の実店舗を構え、「袖を通して、制服を購入したい」と言う声に応えます。自社電子商取引(EC)サイトがあり、買い足しやサイズ感の分かる弟、妹さんが購入する際にも利便性が高いです。

 広島県では、各学校で文化が異なり、学校長やPTAが主体となって学生服を決めます。別注よりも、定番が好まれます。そのため、さまざまなメーカーとコネクションがあることも当社の強みとなっています。

 生地メーカーのニッケや帝人、学生服メーカーの明石スクールユニフォームカンパニーや菅公学生服、瀧本(大阪府東大阪市)、幼稚園服メーカーの中村被服(山口県防府市)など、幅広いメーカーと協力関係を築いています。

――商況は。

 2024年12月期の学生服事業は、増収減益でした。仕入れ価格の上昇に伴う価格転嫁で増収でしたが、光熱費や人件費の転嫁は及ばず、減益でした。

 学生服で使われる「紺」は何百色もあると言われています。これはオーバースペックなのではないでしょうか。チクマ(大阪市中央区)などのユニフォーム商社と協力して共通化を図り、業界全体が利益を高め、共存共栄できるようにしていかなければならないと考えています。

 必要なアイテムを集約して、一人当たりの総購入金額を下げることも今後必要になってきそうです。

――モデルチェンジ(MC)が活発です。

 広島県は、ブレザー化が早かったので、MC活発化の影響については軽微です。現在も詰め襟学生服を着用する中学校の一部でMCがある程度です。一説には、広島県ではかつて、いわゆる「ボンタン」などと呼ばれる変形学生服を一部の学生が着用する文化があり、それをやめさせたい教師の方々が、詰め襟学生服からブレザーに変更したと言われています。