不織布 生産と輸入が逆転か
2025年09月26日 (金曜日)
日本の不織布生産量と不織布輸入量が初めて逆転する可能性が出てきた。経済産業省・生産動態統計によると、2025年1~6月の不織布生産量は前年同期比2・6%減の12万9908㌧。一方、財務省・通関統計によれば不織布輸入量は長短を含めて8・0%増の13万1198㌧と逆転しており、この水準で推移すると年間の生産量は26万㌧弱、輸入量は26万㌧強となる見通しだ。
輸入量は一貫して増加が続いており、20年前の05年に比べると25年は3・7倍近くになる。長繊維不織布やその他の短繊維不織布は、上下動する品種や減少する品種もある中で、レーヨン短繊維不織布が増加している。
レーヨン短繊維不織布輸入量は05年に6570㌧に過ぎなかったが、24年は6万4355㌧と約10倍。25年1~6月は13・9%増の3万4741㌧と増勢が続いており、年間7万㌧超えの可能性が出てきた。その6割弱が中国からの輸入となっている。
レーヨン短繊維不織布ではスパンレース不織布(SL)が多いと推測される。クラレ、ユニチカ、日清紡テキスタイルといった日本のSLメーカーの撤退や事業売却の発表が昨今、相次いでいるが、輸入品との競合激化もその一因と考えられる。