NEDO バイオものづくり事業/混紡品の分離技術開発へ/資源循環で繊維大手結集
2025年09月25日 (木曜日)
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「バイオものづくり革命推進事業」第3回公募で、繊維to繊維の資源循環構築に向けた研究開発と実証が採択された。複数素材からなる混紡品の分離・再生技術の開発に挑む国家プロジェクトとして、帝人フロンティアや東レなど繊維メーカー5社と研究機関が連携して参画する。
経済産業省は2024年6月に、繊維to繊維リサイクルで30年までに年間5万トンの処理目標を掲げる「繊維製品における資源循環ロードマップ」を公表しており、その目標達成に向けた中核的な取り組みとなる。
プロジェクトには帝人フロンティア、クラボウ、東レ、日清紡テキスタイル、ニッケの繊維メーカー5社と、地球環境産業技術研究機構が参画。各社が持つ技術や知見を結集し、混紡品から効率的に原料を分離・回収し、再び高品質な繊維として再生する革新的な技術の開発と実証を目指す。
またプロジェクトの推進は、環境負荷の低減だけでなく、国内に新たな資源循環型産業を創出し、日本の繊維産業の国際競争力を高める狙いもある。
国内では年間78万トンの衣料品が新規供給され、一方で51万トンが廃棄または焼却されている。衣料のリサイクルが進まない主な原因は混紡品が約7割を占めているからだ。素材ごとに分離する技術が確立しておらず、コスト面でも見合わないため、多くが燃料や断熱材などへのダウンサイクルにとどまるか、廃棄されている。