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東洋紡せんい、御幸毛織 天然繊維と合繊を融合

2025年09月29日 (月曜日)

 東洋紡せんいと御幸毛織(名古屋市西区)は、高品質な天然繊維とサステイナブル合繊を融合した長短複合紡績糸「ネイチャーブリッジマナード」を共同で打ち出す。10月1~3日に東京ビッグサイトで開催される合同展示会「サステナブルファッションEXPO秋」にも共同出展し、カジュアルからラグジュアリースポーツまで幅広いゾーンへの提案を進める。

 ネイチャーブリッジマナードは、独自の長短複合紡績糸「マナード」の技術を応用し、天然繊維と合繊長繊維の利点を融合した長短複合紡績糸。東洋紡せんいはシルクや綿とマスバランス方式を含むケミカルリサイクルナイロン繊維「ループロン―C」の複合紡績糸と、リネンと再生ポリエステル繊維の複合紡績糸、御幸毛織はウールとループロン―Cの複合紡績糸をそれぞれ用意した。

 近年、カジュアルだけでなくラグジュアリースポーツなどの分野でも高級素材として天然繊維の人気が高まっている。これを受けて展示会では丸編み地のサンプルをそろえる。また、シャツや軽アウター向けに薄地織物のサンプルも用意する。こちらもラグジュアリーブランド向けで実績ができ始めた。

 現在は国内で生産するが、マレーシア子会社の東洋紡テキスタイル〈マレーシア〉(TTM)での生産も視野に入れており、アパレルのASEAN生産への素材供給にも対応する考えだ。

 このほか、東洋紡せんいは新タイプのリサイクル綿糸「さいくるこっと」、2層構造紡績糸「テクノコット」を展示会で紹介する。さいくるこっとは、新方式開繊技術によって繊維長を維持した反毛を原料とするため、細番手糸やリサイクル原料100%の紡績が可能。糸表情の品位にも優れる。今回はタオルのサンプルを作製し、用途の拡大を進める。

 テクノコットは鞘に綿、芯に異形断面のセラミック練り込み再生ポリエステル短繊維を配した2層構造糸。綿100%の風合いと速乾性やUVカット機能などを両立した。TTMで生産するため、需要家のASEANオペレーションへの供給に強みを発揮する。

 御幸毛織は、マナードのバリエーションを紹介する。ウール・再生ポリエステル複合のほか、ウール・トリアセテート複合タイプも紹介する。こちらは海外からの引き合いも多い。マナードはスーツ地で豊富な実績を持つが、展示会を通じてスーツ以外の用途開拓にも力を入れる。