ごえんぼう

2025年09月30日 (火曜日)

 長時間のパソコン作業などで起こる目の疲れや不快感をVDT症候群と呼ぶ。年に一度VDT検診を受けるのだが、そのたびに眼圧の高さを指摘される▼眼圧の上昇によって視神経が傷み、視野が狭くなる病気を緑内障という。視神経の障害はゆっくりと進行するため、初期や中期の段階では自覚症状がほとんどない。傷んだ神経は元に戻ることはなく、放置すると失明に至る▼年齢のせいかもしれないが、物が見えにくくなってきた。緑内障の言葉が頭をもたげ、初めて検査に行った。眼圧は正常値よりも高かったが、視野に欠損はなく、眼底検査も正常だった。ただ、定期的に検査をするよう指示された▼眼科は混んでいた。一人の男性が何度も時計を見ながら舌打ちを繰り返す。待合室の空気が重くなった。人は時に周りや自分が見えなくなる。先入観は目を曇らせる。自覚症状はない。ちゃんと見えているか、自分に問うた。