TPL、TJT/“強い体質づくり”急ぐ/独自性高い製品が不可欠
2025年10月01日 (水曜日)
帝人フロンティアのポリエステル長・短繊維製造販売タイ子会社、テイジン・ポリエステル〈タイランド〉(TPL)とテイジン〈タイランド〉(TJT)は、米国の関税政策の影響で市場が不安定となる中、市況に対して“強い体質づくり”を急ぐ。独自性の高い製品の供給力強化も不可欠となる。
2025年度第1四半期(4~6月)は売上高こそ若干減少したが、営業利益は前年並みを確保したもようだ。ポリエステル短繊維、工業用ポリエステル長繊維ともに米国の関税政策によって需要家の一部に様子見の姿勢が強まり、荷動きが鈍った。ただ、高付加価値品の販売比率が向上したことで前年同期並みの営業利益を確保している。
今後に関しても予断を許さない状況が続いている。「8月からトランプ関税の影響が本格化し、大幅な値下げ要求のある用途もある」(浅田和重社長)と言う。このため工業用を中心にポリエステル短繊維、同長繊維ともに生産能力を高めながら稼働率の向上とコストダウンを進めることで「不安定な状況でも“強い体質づくり”を急ぐ」。
また、米国の関税政策によって日本の繊維業界の中にも北米から日本国内や欧州、中国向けに市場をシフトする流れが生まれる可能性があるとする。サプライチェーン構造が大きく変わる可能性があるため、そこに参画できる「独自性の高い製品供給力の向上が不可欠」との考えを強調する。