菅公学生服 継続して安定納品強化
2025年10月02日 (木曜日)
菅公学生服は今期(2026年7月期)、引き続き来入学商戦に向けて安定生産、納期厳守に力を入れるとともに、在庫の削減にも取り組む。今年、岡山県倉敷市に新設した生産本部棟では新商品や新機能の開発を進める。
グループ会社で取り組む教育ソリューション事業ではイベントの開催や教育プログラムの提案などで、学校や人材育成の支援を行う。
25年7月期は増収(前の期は売上高414億円)の見通し。2期連続の最終赤字となるなど苦戦を強いられていた損益面も価格改定が大きく貢献し、「前の期に比べると普通の状態に戻った」(尾﨑茂社長)。今春は安定的な生産、納品にもつなげることができた。
今期も安定生産、納品に注力する。「とにかく春の納入が一番大事」として、新規注文の締め切りを早めに設定するなどし、安定生産に努める。価格改定は「8割ほど完了した」。ただ、現在も原材料などさまざまなコストが上がっており、「またお願いしていかなければならないことになるだろう」とする。在庫削減も課題となる。
5月、創業の地である倉敷工場(岡山県倉敷市)の敷地内に新生産本部棟の「シラウメベース」を竣工(しゅんこう)した。学生服の製造に関わる本部機能として、計画管理や設計管理、原価管理などのほか、新商品や新機能の開発も行う。尾﨑社長は「サンプル作成などを一手に引き受ける」と話す。徐々に専用の機械を導入しながら本格的な稼働を目指す。
新事業として今年から、同じ学校の保護者同士が制服や体育着を売買できるフリマサービス「ゆにのわ」を全国の学校に向けて提供し始めた。今期に100校の採用を目標に掲げる。神戸市の標準型制服におけるリユースシステムの運営パートナーに採用されるなど順調に採用が決まっており、「恐らく目標を達成する」とみる。
教育ソリューション事業を手掛けるグループ会社のカンコーマナボネクト(岡山市)では小学生向けの仕事体験イベント「キッズビジネスパーク」や、中高生を対象とした動画コンテスト「全国動画クリエイト甲子園」など、子供たちの能力育成に向けたイベントを開催。学校に向けても探求学習の実践プログラムなどを提案するほか、教師向けのセミナーを開くなど、サポートに力を入れる。