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明石スクールユニフォームカンパニー 売上高325億円へ

2025年10月03日 (金曜日)

 明石スクールユニフォームカンパニーは今期(2025年12月期)、計画として掲げていた売上高325億円(前期315億円)の達成を見込む。

 中学校を中心に進むブレザー化を背景に新規校からの受注を獲得したほか、価格改定などが寄与した。来春以降も安定的な生産、販売や、新企画の打ち出しなどで売り上げに結び付ける。また、今春から本格化させたリユース制服事業にも力を入れる。

 今春の入学商戦では、引き続き増加傾向にある中学校を中心としたモデルチェンジ(MC)校の獲得が前年並みに推移した。原材料などさまざまなコストが上がる中で進めてきた価格改定も、学校に理解が広がり、「想定の数字に近いところまで単価を上げることができた」(河合秀文社長)。

 一方、生徒減に加え、リユースの増加や通信制学校への入学者増などの影響も受けた。生徒減やブレザー化の影響で従来の詰め襟やセーラー服も「毎年10%以上減っている」とし、「数量的に期待した伸びではなかった」。

 今後に向けては「新入学における販売をしっかりやっていく」。ここ数年に比べると来春のMC校数は減る見通しだが、「中学校がMCしたので、伝統的な公立高校などが制服の見直しを考える動きがある」と言う。

 大阪、東京、名古屋で展示会も実施する。新しい企画を発表する予定で、27年春以降の採用に結び付ける。

 同社は制服のリユース、リサイクル事業の「Re―Ring AKASHI」(リリングアカシ)を今春から本格化させている。連携する学校で制服を回収し、クリーニング、修繕、検品、仕上げを行った後、新品よりも安価な価格で販売するものだ。リユースが難しい制服はケミカルリサイクルなどで再資源化する。

 今年、採用校が100校を超える見通し。従来の制服買い取り販売業者が適正な制服かどうか理解しないまま販売をするケースもある中、学生服メーカーが扱っているという安心感から採用につながっている。河合社長は「まだ取り組みは始まったばかり。10年後にどう定着しているか、われわれにとって利益になっているかなど、長期スパンで見なければならない」と話す。

 同社は南海トラフ地震などを想定し、本社の営業本部、管理本部、商品開発部などを隣接する7階建ての物流倉庫へ移転させる。現在、物流倉庫を改装中で、来年初頭から移転を始め、5~6月には完了させる計画だ。3棟の建物で構成される現本社は、正面玄関のある管理本部が入居する建物を来年8月ごろに解体。残った建物は耐震工事とリフォームを行った後、展示室などとして使う。