タイナムシリインターテックス/高通気など独自素材強化/ASEAN生産に引き合い

2025年10月03日 (金曜日)

 帝人フロンティアグループの合繊織布・染色加工タイ子会社であるタイナムシリインターテックスは、高通気素材や経編み地など独自性の高い素材の販売拠点として立ち位置を強化する。“脱・中国”の動きを背景にASEAN生産への引き合いが増加していることから、需要家のサプライチェーン再編への参画に向けた関係構築に力を入れる。

 2025年度上半期(4~9月)は、前半こそ計画通りに推移したが、後半に入るとバーツ高の影響で収益性が低下した。ただ、下半期の販売数量は計画並みを確保できる見通しとなっており、アパレルの“脱・中国”の動きもあってASEAN生産品への引き合いも堅調だ。また、新規市場として取り組むインドへの販売拡大にも期待を寄せる。

 今後に関して中谷太一社長は「参入障壁の高い素材群(高通気素材や経編み地)を基軸に独自性の高い素材の販売拠点としての立ち位置確保を目指し、取り組み分野の選択と集中を推進する」と話す。環境配慮素材活用や生産工程効率化による環境配慮、脱炭素、節水など環境配慮指数の改善にも力を入れる。

 機能素材の多用途展開が重要になるとして、盛夏向け素材や軽量高通気素材、快適ストレッチ素材など独自素材の開発を強化する。“脱・中国”を進める取引先と密な関係構築を進め、新たなサプライチェーン構築に参画することを目指す。