繊維ニュース

東レ/農業資材の拡販強化/素材力で課題解決に貢献

2025年10月03日 (金曜日)

 東レの産業資材事業部は、農業分野への素材・製品供給を強化する。独自の技術を生かした開発と提案によって課題解決への貢献を目指す。同事業部における農業資材の販売は、建築資材などと比べてまだ少ないが、害獣の侵入を防ぐネットや遮熱シートで実績も出てきた。

 第1次産業向けでは、水産業分野に漁網などを供給しているが、農業資材の展開はまだこれから。農業には、動物や鳥類の侵入による被害や猛暑に伴う高温障害といった課題があり、それらの課題解決の一助となるのが素材力や技術力と捉える。製品の積極展開で「第1次産業の活性化を支えたい」と強調した。

 動物や鳥類の侵入防止では、ナカダ産業(静岡県島田市)と連携し、中型動物侵入防止ネットシステム「かたまったくん」、鹿侵入防止システム「鹿たまったくん」、カラス侵入防止対策線「クロウシラズ」を展開(ナカダ産業が販売)。市場から高い評価を得ていると言う。

 製品には東レの熱硬化性ポリエステル繊維「シュメルツェン」や、高強力の液晶ポリエステル繊維「シベラス」を使用している。これらの繊維は強度や耐久性に優れ、既存品との差別化を図っている。同事業部が販売する農業資材向け素材で大きな塊になってきた。

 独自製品では、ビニールハウスなどに使用する遮熱シート「クールネクスト」を今年から販売している。独自の波長選択透過技術によって光合成に必要な可視光は透過し、紫外線と赤外線は吸収・反射する。東レによるとシートの無被覆時と比べて最大7・5℃温度が低くなる。

 エステーと共同で畜産用アンモニア臭分解シートの開発も進めている。トドマツから抽出した成分を含んだ「クリアフォレスト」を応用し、従来品と比べて2倍以上の消臭効果があると言う。シートは従来品比で重量を40%削減しており、設置作業の効率化にも資する。今年度中の販売開始を目指す。

 そのほか、排水処理能力向上に貢献する水処理膜などを打ち出す。これらは今日3日まで千葉市の幕張メッセで開催中の「第15回農業WEEK」で紹介している。