ごえんぼう
2025年10月06日 (月曜日)
正直、この原稿を書いている時点では、自民党総裁選の結果はまだ分からない。少数与党とはいえ、通常なら総裁選で勝った政治家がそのまま首班指名を受ける可能性が高い▼近年、政治への不満や失望の声を、取材先の経営者からよく聞いた。そんな声を反映してか、東京商工リサーチによると、2025年上半期の全国企業倒産(負債1千万円以上)は4990件。前年同期比1・1%増で、4年連続の増加だ▼繊維業界でも倒産・廃業が相次ぐ。株価は連日、過去最高だが、中小企業を取り巻く現実は厳しい。「本当に日本のためになる政治をしているのか」という問いかけは選挙結果にも反映されだした▼年初に本欄で、60年に一度の乙巳の年が、日本の歴史の転換点となってきたと書いた。今回の総裁選が、それに当たるのか。党内の力学ではなく、本当に国民を思う政治家が選ばれなければ、日本の未来は明るくない。