「ザ・メーカーズ・アパレルショー」の注目企業 Vol.1

2025年10月07日 (火曜日)

開発力や短納期対応が強み

 中国・東南アジアのトップクラスのアパレル製品のOEM・ODM企業や、生地メーカーなど92社が一堂に会する商談会「ザ・メーカーズ・アパレルショー」が15、16日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)のホールB7で開かれる。17日には、シティプラザ大阪(大阪市中央区)でも開催される(61社出展)。両展の注目企業を紹介する。

自動化されたインナー工場

青島蘭栄貿易(東京会場ブース番号047/大阪会場同15)

 2009年創業。工場と貿易会社を併せ持つ、レディースインナーとホームウエアの専門企業。直近15年間は、対日輸出に特化する。年間輸出額は約1千万㌦。

 山東省青島で自動化された自社工場を運営する。従業員100人で、年産能力はレディースインナー300万枚。

 機能素材の開発力が強みだ。近年は薄地・高弾性・ソフトな肌触りの生地と接着加工技術を組み合わせたヒット商品を生み出している。リサイクル素材の活用など、サステイナビリティーにも力を入れる。

 今回展では、機能性と環境配慮を軸にした素材使いのインナーを披露。オーガニックコットン使いをはじめ、吸水速乾の快適メッシュ素材使い、全方向ストレッチの成型インナーなど、日本市場のニーズを捉えた製品を幅広く提案する。

大手が認める品質と技術

沂水慧陽製衣(東京会場同079)

 03年の創業以来、編み物製カジュアルウエアの生産に特化してきた。5万3千平方㍍の敷地に自社工場を構え、中国や日本、韓国などの大手スポーツブランドの生産を手掛けている。その品質と技術力が、顧客から高く評価されていると言う。

 強みは大規模かつ柔軟な生産体制だ。本社工場は高難度品や短納期の注文に対応。さらに五つの分工場と12の協力工場を組織化し、それぞれの得意分野に応じて最適な生産計画を組み、安定した品質と納期を実現する。

 6人の自社デザイナーが在籍し、ODM機能も充実。大手商社と協業し、スポーツ向けの環境配慮型製品を手掛けた実績を持つ。

 今回展は機能性・環境配慮型製品をメインに出展する。リサイクル素材や抗菌裏毛素材、汗染み防止素材、シームレス圧着ニットなど、付加価値製品を提案する。

機動力あるレディース工場

青島優美佳衣工貿(妍一佳服飾)(東京会場同095)

 09年創業。青島市内で貿易会社と自社工場を一体運営し、婦人服のOEM/ODMを手掛ける。100%日本向けで、最終顧客は大手セレクトや百貨店アパレルなど。

 強みは、卸売市場の生地を活用した小ロット・短納期生産への対応力だ。専任の担当者がスピーディーな生地提案を行っている。自社工場の柔軟な生産体制により、最小ロットは50枚から。追加オーダーにも迅速に応える。

 環境に優しい天然素材使いの製品の提案に力を入れている。レディースのノウハウを生かし、中高級ペットウエアに新規参入することを検討している。

 日本の展示会に今回、7年ぶりに出展する。日本のトレンドを意識した通勤服(ブラウス、スカート、ワンピース)を打ち出し、ブランドや商社の新規顧客の開拓を図る。