合繊メーカーなど 合同展で新商材発信

2025年10月08日 (水曜日)

 合繊メーカーなどの繊維素材企業が、合同展で新商材を積極発信している。素材やブランドを多くの人に伝えることで、ビジネス機会や認知拡大につなげる。

 このほど東京都内で開催された「Faw TOKYO(ファッションワールド東京)」でも各社の姿を見ることができた。

 東レは、長繊維事業部と短繊維事業部がFaw TOKYOに出展し、ファイバーブランド「Toray Premium GOUSEN select」(トーレ・プレミアム・ゴーセン・セレクト)を紹介した。独自のポリマー技術や複合紡糸技術によって生産された高付加価値糸をシリーズ化したもので、「海外市場に日本の技術を広めたい」との思いで立ち上げた。

 防透け性や紫外線遮蔽(しゃへい)などに優れる「ギガダル」、環境配慮型ストレッチ糸「スプリングフィット」、高吸放湿性ナイロン糸「キュープ」、極細繊度ナイロン糸「ライティグラム」などの5商品で提案を開始。市場ニーズによって商材を入れ替えながら、2030年までに年間100億円の売り上げ規模を目指す。

 東洋紡せんいと御幸毛織(名古屋市西区)は、FaW TOKYO内の「第5回サステナブルファッションEXPO」に合同で出展した。新素材として「ネイチャーブリッジマナード」を展示したほか、2層構造紡績糸「テクノコット」、長短複合紡績糸「マナード」のバリエーションなどを紹介した。

 ネイチャーブリッジマナードは、マナード技術を応用し、天然繊維と合繊長繊維を組み合わせた。コシがない(シルク)、シワになる(麻)といった欠点をカバーしつつ、天然繊維と合繊の利点を引き出した。テクノコットはマレーシアの子会社で生産し、「顧客が持つASEAN地域の拠点に供給」する。

 新内外綿は、パイナップル葉繊維と綿を複合した「パイナップルヤーン」を、サステナブルファッションEXPOで紹介した。パイナップル葉繊維10%混で、吸放湿性などの特徴が出せ、綿番で20、30、40番を作った。「相性が良かった」と言う渦流精紡機で生産している。

 展示会では、ベトナムのパイナップル葉を活用した糸を展示した。同国でわた状にし、子会社のナイガイテキスタイル(岐阜県海津市)で紡績する。展示会出展を機に本格販売に入り、丸編みのほか、デニム用途などに提案する。