イタリア繊維機械/最大の輸出市場に照準/ITMAに100社出展

2025年10月09日 (木曜日)

 イタリアの繊維機械メーカーは、今月28~31日にシンガポールで開催される繊維機械の国際展「ITMAアジア+CITME シンガポール」に100社が出展する。イタリア繊維機械工業会(ACIMIT)とイタリア貿易促進機構(ITA)が共同で出展を支援し、会場では約4千平方㍍のブース面積を確保。うち53社はナショナル・セクター・グループとして集団で出展する。

 イタリア製繊維機械は世界有数の品質と技術力を背景に、アジア市場での存在感を高めている。2024年のアジア向け輸出額は6億6400万ユーロで、25年上半期も前年同期比1%増の3億1700万ユーロを記録。主な輸出先は中国、インド、パキスタン、バングラデシュとなっている。

 ACIMITのマルコ・サルヴァデ会長は、「シンガポール開催により、急成長を遂げる東南アジア諸国との接点を強化できる」と期待を寄せる。出展各社は、デジタル化による生産効率の向上、自動化、省エネルギー、水資源の有効活用など、環境負荷低減と高付加価値化を両立するソリューションを披露する。

 ITAシンガポール事務所のジョルジョ・カルヴェリ所長も、「イタリアの繊維機械生産の86%は輸出に依存しており、アジア市場の戦略的価値は一層高まっている」と述べ、同展を通じた市場浸透への意欲を示した。

 ACIMITによると、イタリアの繊維機械メーカーは約300社で構成され、従業員数は約1万2500人。総売上高は21億ユーロ規模に上り、世界市場においても高い評価を得ている。今回の展示では、伝統的な繊維ノウハウと最先端技術を融合した最新設備を訴求し、アジアでの需要を取り込む構えだ。