「台北紡織展」が開幕/サステ・機能素材一堂に/AI活用のスマート製造も
2025年10月16日 (木曜日)
【台北=岩下祐一】素材と機械の見本市「第29回台北紡織展」(TITAS)が14日、台湾・台北市の南港展覧館で開幕した。昨年展並みの国内外388社が出展。スポーツ・アウトドア向けの機能・サステイナビリティーを追求した先端素材や製品、人工知能(AI)を活用したスマート製造技術をアピールする。会期は今日16日まで。
今回展のテーマは、「サステイナブル・機能性応用・スマート製造」。各社ブースでは、海洋プラスチックやバイオマス原料、テキスタイルtoテキスタイルといったサステ素材に加え、デジタル製品パスポート(DPP)の導入や、生産工程でのCO2排出量を削減する低炭素プロセス、AIを活用した検反技術などが幅広く提案されている。
地場大手メーカーは、遠東新世紀や力麗、儒鴻、新光合繊、南緯などが大型ブースを構え、それぞれの最新素材や製品を披露。日本企業は、北陸産地企業が共同でブースを設けているほか、YKKや島田商事、村田機械が単独で出展している。
台湾経済部が設置した特設パビリオンでは、紡織産業総合研究所が開発し、ミズノが採用した3D一体成型シューズ技術「A Slice of Shoe」(ア・スライス・オブ・シュー)が注目を集めている。この技術は、従来複雑な工程を必要とした靴のアッパー部分を、わずか6分で立体的に一体成形できる。
今回は、米国、欧州、日本などから70社以上の有力ブランドバイヤーが招聘(しょうへい)され、800以上の個別商談会が予定されている。