ごえんぼう
2025年10月17日 (金曜日)
10月17日は「貧困撲滅のための国際デー」。1999年の国連総会で制定された。教育や医療などの充実を含む幅広い意味での貧困撲滅を目指す▼世界の貧困を測る代表的指標の「国際貧困ライン」が、6月に1日2・15㌦から3㌦に改訂され、推計貧困者数は旧基準より1・3億人多い8・2億人となった。世界人口の約1割を占める▼同改定は、各国の物価水準の違いを考慮した購買力平価の更新や、世界一人口が多いインドの最新世帯調査などを反映。各国の貧困ラインは上昇し、最貧層の実質所得も増えるなど、一概に悪化したとも言えない。だが約半数が紛争地域に存在する現実は変わらない▼日本の相対的貧困率(国内水準で比較した際の貧困者の割合)は15・7%。G7で米国に次ぎ2番目に高い。上がりにくい給料、ひとり親や単身高齢者世帯の増加、国の支援の薄さなどが原因。内憂外患を払う政策が急務なはずだが。