繊維ニュース

TITASの大手素材メーカー/繊維to繊維技術をアピール/サステ・機能追求にまい進

2025年10月17日 (金曜日)

 【台北=岩下祐一】素材と機械の見本市「第29回台北紡織展」(TITAS)が14~16日、台湾・台北市の南港展覧館で開かれた。大手素材メーカー出展者は、繊維to繊維などのサステイナブル素材や、最新の機能素材を訴求した。

 台塑(フォルモサプラスチックグループ)傘下の4社は共同出展し、原料から最終製品までの一貫生産をアピールした。台化(フォルモサケミカルズ・アンドファイバー)は、廃漁網リサイクルナイロンと、グループ工場の端材をリサイクルする繊維to繊維技術およびその供給能力(月産1250トン)を訴求した。南亜(ナンヤプラスチック)は、クラレトレーディングとの協業を紹介。リサイクル原料の極細繊維や汗染み・透け防止素材などを披露した。福懋興業(フォルモサ・タフタ)は、ナイロンの単一素材でリサイクルが容易な透湿防水素材「eSMORE―TEX」(エスモアテックス)をメインに出展した。

 遠東新世紀(ファーイースタン・ニューセンチュリー)は、通気性と保温性を自動調整する素材「FENCサーモバイオニック」や、単一素材で高い伸縮性とリサイクル性を両立した「同ループフレックス」を発表。また、新開発の再生熱可塑性ポリエステルエラストマー(rTPEE)素材を、シューズのミッドソール用途として提案した。

 宏遠興業(エベレスト・テキスタイル)は、自社の端材をケミカルリサイクルする繊維to繊維技術や、従来より20~30℃低い98℃程度で染色可能な改質リサイクルポリエステル「rEM2」を発表した。

 台灣富綢(タフタ・ファブリック)は、「冷・熱・軽・弾」の4大テーマを掲げ、機能素材を訴求。「冷」では吸湿透湿繊維「AquaBreath」(アクアブレス)、「熱」ではジャカードとグラフェンを組み合わせたウール調素材、「軽」では単一リサイクル素材の「Mutisia」(ムティシア)、「弾」では軽量で伸縮性に富んだ綿調素材をそれぞれ紹介した。