高山リード/AJL風圧測定の新製品/ITMA アジアで披露
2025年10月21日 (火曜日)
織機用リード(筬〈おさ〉)製造の高山リード(金沢市)は、エアジェット織機(AJL)のサブノズル風圧測定装置「TR―7700SN mini」を開発した。28~31日、シンガポールで開催される繊維機械展「ITMA ASIA+CITMEシンガポール2025」で披露する。
同社は今年、創立110周年を迎えた筬のトップメーカー。安定した高品質に加え、需要家の要望に合った新製品の開発にも積極的に取り組む。その一つがTR―7700SN mini。同製品は従来品の「TR―7700SN」をコンパクト化したもの。AJL用リードに磁石で固定し、個々のサブノズルの噴射方向や圧力の状況を3本のピトー管によりデジタルで把握し、USB経由でPCに数値データを送信する。3分でフル充電し、約1時間の使用ができる。本体の下には小さな定規が付いており、サブノズルからの距離を確認しながら測定できる。
「ITMA ASIA+CITMEシンガポール2025」ではそのほか、乾電池から充電方式に変更したTR―7700SN、結び目対応「マジックリード」、グラデーションのように筬密度の濃淡を連続的に設定できる「グラデーションリード」も出品する。マジックリードは結び目の通しやすさを来場者が実感できる装置を展示する予定。
同社の2025年販売状況は、織機メーカーからの受注やガラス用リードの受注により堅調に推移する。リードメンテナンス機器もインドからの引き合いが強まっているという。
26年は世界情勢の不安定さから投資を控える動きもあり、不透明と見通す。一方で、今回展を足掛かりにアジアの新規需要家への認知度を高めるほか、既存ユーザーの来場者との関係を深める。さらに需要家のニーズを取り入れ今後の製品開発に生かしながら、販売拡大に結び付ける考えだ。