TITASの大手出展者/「モノのパスポート」を提案/AI活用検反機も登場
2025年10月21日 (火曜日)
【台北=岩下祐一】14~16日に台湾・台北市で開かれた「第29回台北紡織展」(TITAS)では、大手メーカーの出展者が素材のトレーサビリティーを可視化したデジタル製品パスポート(DPP)や、繊維to繊維技術などをアピールした。
力麗集団(リリー・グループ)は、漁網リサイクルナイロンや、生分解性ポリエステルなど、同社のサステイナブル素材のトレーサビリティーを可視化したデジタル製品パスポート(DPP)を訴求した。
新光合繊(シンコン・シンセチック・ファイバー)は、多彩な繊維to繊維のソリューションを出展した。自社の生地リサイクル技術に加え、伊藤忠商事の再生ポリエステル繊維「RENU」(レニュー)や、米国のスタートアップ企業など、複数のリサイクル原料を用いた製品群をパネルで紹介した。
興采(シンテックス)は、「潮境之島」をテーマに、自然現象から着想を得た四つの機能素材群を発表。コーヒーかすを再利用した冷感・消臭素材「Sカフェ・アイスカフェ」と、高耐久ストレッチ素材「ストーンフリース」が関心を集めた。
儒鴻(エクラット)は、スポーツウエア向けの環境配慮型ストレッチ素材を発表。リサイクルポリエステルや天然繊維を用いながら、独自の織物組織により、優れた手触り、透湿性、伸縮性を実現した。
旭栄(ニューワイド)は、「UltraHuman未来共生」をテーマに人工知能(AI)時代の“スマートウエア”を提案した。社内でAIロボットを活用したスマート生産スケジューリングやバーチャルサンプリングなどを導入し、サプライチェーン全体のデジタル技術で社会を変革するDX化を推進する姿勢を鮮明にした。
南緯(テックスレイ)は、従来の染色工程を大幅に短縮する環境配慮型染色技術「エコロレーション」や、光触媒により殺菌・消臭効果を発揮する素材「Tフレッシュ」、冷感・発熱・速乾など八つの機能を持つ素材「レイズ」など、多彩な独自技術・素材を披露した。
欧西瑪(オシマ)は、AIを活用した検反機、IoT(モノのインターネット)によるデータ連携、自動裁断機を組み合わせた「スマート裁断室」を提案。AIを活用した検反機は、AIに写真で生地の不具合を読み込ませ、検反する仕組み。ジャカードやチェック柄などを除く生地に対応する。