帝人フロンティア 天然調ストレッチ糸生地提案強化

2025年10月22日 (水曜日)

 帝人フロンティアは、天然繊維のような外観を持つストレッチ糸・生地「トリクシオン」の販売を強化する。特にビジネス服用途を深掘りする方針で、同素材のナチュラルな見た目や深い色味、機能性などを訴求する。麻調や厚地などの多様なバリエーションを投入し、幅広い需要に応える。

 トリクシオンは、2001年に発売されたロングセラー商品。ポリエステルでありながら天然繊維のような糸構造とすることで膨らみ感や反発感が生まれ、製品に立体的な高級感を付与できる。単糸の太部と細部を組み合わせたランダムなコイル構造がナチュラル感を生み出す。

 ストレッチ性、イージーケア性といった特徴も併せ持つことなどから、婦人ファッション用途で高い評価を獲得し、衣料用素材の主力の一つに育っている。この1、2年で紳士服用途での採用が拡大しているほか、海外市場向けの販売も増えており、26秋冬物の中心商材に置く。

 ビジネス服はカジュアル化が進んでいるが、奇麗めの一定の需要があるとし、トリクシオンの打ち出しでニーズに応える。麻調のボイルや目付400㌘の厚地、ウールライクな生地、新質感の高機能ポリエステル「シフォラ」との組み合わせなど、さまざまなバリエーションを投入する。

 糸は、タイのテイジン・ポリエステル〈タイランド〉(TPL)で生産し、国内で生地化する。TPLでの生産能力増強も終え、今後は海外市場向けも拡大を図っていく。タイ・ナムシリ・インターテックスでの製織とASEAN地域での縫製といったオペレーションも検討する。

 トリクシオンは、24日まで東京支社で開催中の「2026秋冬 衣料展」で紹介している。同展では、異形中空断面「オクタ」の2重織素材、機能中わたのバリエーション、ポリエステル短繊維素材の「マーフィル」、緯糸挿入トリコット、シフォラなどを展示している。