第3の柱は「プラステ」
2025年10月23日 (木曜日)

ファーストリテイリングは21日、グループで展開するブランド「プラステ」の2025年秋冬ブランド戦略・新商品発表会をザ・リッツカートン東京(東京都港区)で開いた。ユニクロ、ジーユーに続く「第3の柱」に拡大する方針を示し、中価格帯で「No.1を目指す」(岡﨑健ファーストリテイリング上席執行役員CFO兼プラステ代表取締役CEO)と述べた。
プラステの価格帯は、ユニクロの2~3倍程度になる。このゾーンでの潜在需要を取り込み、強みの通勤着やセレモニー需要、さらにクリーンな日常着でも存在感を高める。来月で店舗数は44店舗体制を構築(うちユニクロ内店舗は12拠点)。
ユニクロが掲げるコンセプト「ライフウエア」(究極の普段着)の定義が中価格帯にも存在すると仮定し、顧客開拓に本腰を入れる。素材調達や縫製工場のネットワークなど、ファストリのリソースを「最大限活用する。(売れ筋などの)情報も反映させる」とした。
海外展開は未定としながらも、日本国内で「大人向けのインフラ」として認知度を高める。プラステの前期(25年8月期)業績は、大幅な増収増益。ユニクロ内店舗の人材がノウハウを共有し、プラステの運営に生かしたと言う。パンツやジャケットなど婦人服のコア商品に加え、トップス系の売れ筋も徐々に広がってきた。今後は紳士服も拡充する考え。
ブランドの世界観をもう一段引き上げる施策として、欧州の有力メゾンでキャリアを積んできた実力派の若手ファッションデザイナー、村田晴信氏をウィメンズのクリエーティブ・ディレクターに起用。同氏を介した商品開発力を強化し、上質な秋冬ウエアを打ち出した。
婦人用のウールブレンドリバーフーディーロングコートを2万9千円で打ち出すなど、大人向けの百貨店ブランドと比較し、脅威となりそうなアイテムも多い。村田デザイナーは「10万円以上で販売できそうなコートが2万円台で展開できる。ラグジュアリーの民主化が進むのでは」と読む。
東レが開発した高機能中わた素材を採用した新アイテム「ウォームリザーブパデッドシリーズ」を21日に発売した。ハーフコートやスタンドカラーのショートブルゾンなど4型を投入し、いずれも軽やかに着用することができる。プラステのブランドミューズとして活動している、モデル・俳優の桐谷美玲さんは「とても軽いし、手洗いができる点にも驚きました」と話した。





