生地商社の直近業績/一部除き苦戦強いられる/海外向けも一変、踊り場に
2025年10月23日 (木曜日)
生地商社の直近業績は、一部を除いて苦戦を強いられている。前年対比で伸ばせたところも伸び率はわずかだ。中国や欧州など海外市況が一気に冷え込み踊り場を迎えたことに加え、特に国内アパレル向けの低調さが際立つ。アパレルが生地発注量の小口化を進め、追加生産もほとんどしなくなったことが、生地商社の業績にも如実に表れている。(吉田武史)
スタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)の上半期(2025年2~7月)はインフレ基調の中で前年同期比増収だったが、主力の国内向け生地販売は減収を強いられた。海外向けも中国、欧米のいずれも「逆風が吹いている」。ウール糸を中心とする原料事業も厳しい。ライフスタイル事業は「今治謹製タオル」が堅調。製品OEM・ODMは方針通り拡大した。
柴屋(大阪市中央区)の今期ここまで(25年2~8月)の売上高は6%減で、営業利益は横ばいだった。国内向け生地販売は、件数は維持、あるいは増えているものの、1件当たりの受注数量が絞り込まれており、減収の要因になった。輸出も中国、欧米向けいずれも減った。製品事業は横ばいと堅調だった。
サンウェル(大阪市中央区)の上半期(25年2~7月)は、国内向け、海外向けともに苦戦を強いられ、減収だった。
双日ファッション(大阪市中央区)の上半期(25年4~9月)は1桁%の減収減益となり、出荷数量も落ち込んだ。切り売り向けは前期が悪かった反動でやや戻したが、国内向けが伸びなかった。
瀧定名古屋(名古屋市中区)の上半期(25年2~7月)は増収増益となった。服地部門は輸出が苦戦したものの、製品部門が伸長したことでカバーできた。
北高(大阪市中央区)の上半期(25年2~7月)は微増収増益。前年同期はその前の期比10%増収と大きく拡大していたが、引き続き伸ばした。
コスモテキスタイル(大阪市中央区)の上半期(25年4~9月)は微増収で、国内アパレル向け、切り売り向け、輸出のいずれも伸びた。
宇仁繊維(大阪市中央区)の25年8月期単体決算は、前期比4%増収の80億円となり、過去最高を更新した。「ムードは悪かった」が、国内向け、輸出ともに小口をかき集める形でなんとか伸ばした。
スタイレム瀧定大阪や瀧定名古屋、柴屋が製品事業を堅調から好調へと推移させたのは、国内外のアパレルから「生地ではなく製品で」との要望が高まっていることの表れと言える。この傾向を受け、「国内外で製品供給の拡大を狙う」と口にするトップも増えている。





