進化続ける中国OEM・ODM企業 第4回ザ・メーカーズ・アパレルショーレビューVol.1/自社生産拠点で差別化

2025年10月27日 (月曜日)

 中国や東南アジアのOEM・ODM企業による展示商談会「ザ・メーカーズ・アパレルショー」がこのほど東京と大阪で開催された。第4回の今回は92社(大阪展は61社)の出展があり、機能性や品質、環境対応、小ロット、コスト抑制など、多様な角度で日本企業・市場のニーズに応えた。

 米国の追加関税(トランプ関税)や欧州景気の停滞感などから、日本の市場に改めて目を向けるアジアのOEM・ODM企業は少なくない。そうした企業が一堂に会したのがザ・メーカーズ・アパレルショーで、日本市場に重きを置く中国や東南アジア企業が集う。

 第4回展は、15、16日に東京都千代田区の東京国際フォーラム、17日に大阪市中央区のシティプラザ大阪で開催された。東京展は95ブース、大阪展は61ブースという規模で行われ、各種衣料品や副資材などが打ち出された。

 特徴的だったのが、一部出資や専属工場などの形態を含め、自社の生産拠点を持つ企業の数が増えたこと。主催者によると、自社工場を持つ出展者の割合は5割を超えた。自社拠点によってコスト抑制の追求が可能になるほか、納期をはじめとする管理面で安心感が顧客に与えられる。

 日本企業がASEAN地域や南アジアでの生産を増やしていることを意識してか、ベトナムやカンボジア、ミャンマー、バングラデシュなどの生産拠点をアピールする出展者が目を引き、「エジプトにも生産拠点を持っている」と話す企業もあった。低コストや大ロットの訴求が中心だった。

 中国国内での生産にこだわりを見せる出展者も目立った。多くが「品質を考えると中国で生産する方が良い。小ロットにも対応できる」と話した。そうした企業は「東南アジアなどでの生産は検討していない」と口をそろえる。「小ロットでも単価の高い商品の注文を獲得したい」との思いがあるようだ。

 提案商材の幅が広がったのも今回展の特徴の一つとなった。展示商談会のプロデューサー的な役割を務める北京和霽商務策劃のテキキン総経理は「強化したいと思っていたインナー・ルームウエア関連企業が増えたほか、帽子をはじめとする服飾品、ペット服などの提案も増えている」と話す。

 また、自社でデザイン機能を持つ企業、ODM企業の割合も高まっている。テキ総経理は「これからの中国OEM・ODM企業は規模だけでなく、サステイナビリティー素材の活用を含め、技術力や企画力、専門性で需要に応えていく」と強調。日本の企業・市場と共に成長の道を進む。