ごえんぼう
2025年10月28日 (火曜日)
東京都内で今年初めてキンモクセイの香りが感じられたのは、今月の下旬に差し掛かるころだった。甘い芳香がどこか心地よく、足を止めて香りを楽しんだ▼キンモクセイは、春のジンチョウゲ、夏のクチナシと並び、香りの強い花を咲かせる三大香木の一つに数えられる。夏が終わり、少し冷えた空気が運んでくる香りはいつも四季の移ろいを思わせる。そんなキンモクセイが好きだ▼気象情報会社によると、西日本では開花が遅れているという。確証はないが、今年の東京都内での開花も例年にも増して遅かったように思う。猛暑の年は開花の時期が遅れる傾向がみられるらしく、11月になることもあるそうだ▼10月も下旬となり、朝晩を中心に気温が下がってきたが、例年と比べると暖かい秋なのだろうか。甘い香りと同じように、秋物の衣料品を楽しむ時期が少しずつ遅れている。四季がなくなる。その実感も強くなってきた。





