AFF大阪レビュー~日本の要望に応える(上)

2025年10月28日 (火曜日)

短納期と技術力で存在感

 21~23日、中国を中心に東南アジア、南アジアのOEM・ODM企業や生地メーカーが、対日貿易拡大のために大阪に集結した。「欧米向けが厳しいため、なんとか対日で活路を開きたい」という悲願を胸に、約160社が「第45回AFF・大阪2025秋」に出展、日本の商社やアパレルと商談した。

 編み地製造の常熟市華瑞針紡織は、中国国内の自社工場に編み機と仕上げ設備を100台以上備え、起毛加工にも対応する。染色は信頼ある協力工場と連携し、「最短20日で生地が仕上がる」短納期体制を整えている。

 難燃性や帯電防止性、吸湿発熱、接触冷感などの機能素材の開発に注力し、中国や韓国の消防向けインナーに採用された実績を持つ。そのほか、メンズ・レディースのファッション分野にも幅広く供給する。

 主要取引先は欧米の企業で、日本向けは全体の2割程度。「ファッションから高機能まで幅広く提案できる企画力を日本市場に発信したい」と意気込んだ。

 WUJIANG SHUNKAI TEXTILEは、江蘇省蘇州市に先染め織物の工場を持ち、織物のOEM・ODMを展開する。30年以上の実績があり、テント用生地やケーブルテープ基布など資材向けに加え、アパレル分野も手掛ける。

 意匠性の高い柄物生地を得意とし、ジャケットやダウンコートなどアウター用途での採用が多い。表地と裏地で別々の柄を組み合わせたリバーシブル生地も開発し、接着剤を使わず薄く仕上げられる特徴を持つ。

 取り扱い素材は綿やポリエステル、ナイロンなど多岐にわたる。アウター地の販売先はドイツや英国が中心で、「日本向けにも柄の企画力をアピールし、展開を広げたい」と意欲を示す。

 南通昶泰紡織科技は、生地と製品のOEM・ODMを手掛ける。江蘇省南通に構える丸編み工場は、丸編み機を50台以上保有。年間5千㌧を生産し、「南通地区トップ5の規模」だと言う。

 2018年には同地区に、従業員150人、月産13万枚の縫製工場を設立した。縫製品の取引先は日本向けが7割、中国向けが3割で、ニットと織物を取り扱う。レディースファッションを中心にメンズ、子供服にも展開を広げている。

 グループ内に紡績、染色、製品出荷用の段ボール工場もあり、糸から製品までの一貫生産体制を整える。「納期とコスト対応力に自信がある」とし、日本市場開拓に期待を込めた。