第4回ザ・メーカーズ・アパレルショー レビュー/進化続ける中国OEM・ODM企業 Vol.2
2025年10月28日 (火曜日)
多様な角度で要望に応える
ザ・メーカーズ・アパレルショーには、日本市場向けで実績を持つ企業のほか、展示商談会を起点に顧客開拓を目指す企業もある。共通するのは日本企業のニーズにしっかりと目を向けていることで、来場者からも「日本のことをよく研究している」との声が聞こえた。各社は多様な角度でニーズに応える。
迪尚集団は、ジャケットやワンピースなどの婦人物を主力とする企業で、新規顧客を求めて今回初めて出展した。自社の生産拠点として中国国内に月産3万枚規模の大連華盛時装を持つほか、ベトナムやカンボジアでも生産する。「特にミャンマー生産が強み」とした。
縫製に加えて、日本企業が展開する生地を活用することで差別化を図っている。温度によって形状が変化する多層構造のシートや吸水速乾などの機能性素材を用いる。婦人分野でも機能性へのニーズが高まっているとするほか、紳士やスポーツにも提案している。
威海威領斯進出口は、一般作業服から官公需向け、紳士服、アウトドアウエア、子供服まで幅広い商品を扱う。米国市場向けを主力としており、「自分たちの商品が日本市場でどれだけ受け入れられるか探索するために出展した」と話した。展示商談会では子供服をメインに提案した。
威海市の自家工場で生産する。子供服は韓国の人気ブランドとも提携し、「品質などには自信がある。日本でも受け入れられると思う」とした。協力工場との連携で開発している生地にも自信を持っているとし、冷感や高通気、花粉対策などの高機能生地の販売も行う。
南通伽晟国際貿易は、婦人重衣料の生産を主力としている。李華総経理が2011年に設立し、現在は日本向けが100%を占めている。ただ、長引く夏と暖冬傾向によって重衣料の動きが悪くなっていることから、新たな顧客を求めて今回初めて出展した。
重衣料だけでなく、中・軽衣料も提案した。中国国内の生地製造会社と連携し、綿・シルクや麻100%、ウールタッチのポリエステル生地などを活用する。月産2万枚規模の自家工場を軸に中国国内での生産にこだわる。「ロットは小さくても良いので、単価の高い商品の仕事がしたい」とした。
エコファー製品やダウンジャケットを中心とする嘉興大禧服飾も中国国内での生産をアピールした。「中高級ゾーンで勝負している。品質が求められるので海外では生産しない」とした。嘉興市にある月産2、3万枚の自社工場と協力工場で価値のある製品を作る。





