実生産にあった新技術/ITMAアジアシンガポール/日本からは17社が出展
2025年10月28日 (火曜日)
繊維機械の国際展示会「ITMAアジア+CITME シンガポール2025」が、今日28日から4日間、シンガポールエキスポで開催される。ITMAアジアとCITMEの共同展になってからは初めてのシンガポール開催で、実生産に合った新技術が多く紹介される。日本からの出展は17社(海外法人からの出展除く)で、インドや東南アジアなどの市場もにらんだ提案が進められる。(星野公清)
繊維機械の展示会は、インドやトルコなどさまざまな地域で増えているが、主な国際展示会としては4年ごとに欧州で開催されるITMAを軸に、その前後の年に上海で隔年開催されるITMAアジア+CITMEがある。今回は、これまで空いていた欧州開催の2年後の年に新しい国際展が加わった形で、これでITMAを冠した繊維機械展が毎年開かれる形になった。
今回展はシンガポールエキスポの七つの館を使っており、2館が製織、組みひも、不織布、3~4館がファイバー・スピニング、5館がニッティング、6~8館が染色・仕上げ・プリントの館になる。総展示面積は70万平方㍍で、30の国・地域から800社以上が出展し、3万人規模の来場を見込んでいる。
繊維機械では、将来に向けた新コンセプトや革新技術の発表は欧州のITMAが中心で、上海のITMAアジア+CITMEでは実際の生産に使われる最新機種が紹介されるケースが多い。今回のシンガポール展も量産のための新機種が中心になる。
この間、新型コロナウイルス禍で上海展はスケジュール変更が続くとともに、ビザの問題で海外から訪問しにくい状況にあったことも、シンガポール展への期待につながっている。展示内容は、成長する西アジアや東南アジアなどの市場をにらんだ提案も多い。日本からの出展は17社で、エプソンシンガポールなど海外法人からの出展もある。
新機種も多く紹介される。合成繊維機械のTMTマシナリーは、仮撚りの次世代機「ATF―G1」を展示。昨年の上海展で発表された機種だが、実機の紹介は今回展が初めてになる。
織機では、津田駒工業がタオル用の新型エアジェット織機(AJL)「ZAX001neoテリー」を、吉田機械が多層極厚織物用の新型細幅シャトル織機を紹介する。欧州勢ではイタリアのイテマがガイドレス型の超広幅レピア織機や中国製の新型AJLを初披露し、スイスのストーブリが自動ドローイング機の新機種や中国製の新型開口機を発表する。
丸編み機では、福原産業貿易が電子柄編み機の新機種を紹介する。新型選針機構を採用したシリンダー3ポジションの両面機で、40ゲージ機を展示する。日阪製作所は、日本で先行販売する液流染色機「サーキュラー CUT―SG」を海外で初めて紹介する。新型水洗機構を搭載した大容量型の新機種で、東南アジアやインドなどの市場も狙う。





