繊維ニュース

経産省 産地の構造転換探る

2025年10月29日 (水曜日)

 経済産業省は27日、日本の繊維産地が次世代の成長戦略として海外需要を獲得していくための具体策を議論する「繊維産地から目指す次世代繊維企業の外需獲得に向けた研究会」の初会合を開いた。

 国内市場の縮小や、サプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)化といった課題に直面する繊維産業の新たな活路を官民連携で模索する。今年度内に4、5回開催した後、意見を取りまとめる。事務局は同省製造産業局生活製品課。

 研究会立ち上げの背景には、同省が2024年10月から開催してきた「サプライチェーン強靱(きょうじん)化に向けた対応検討会」での議論がある。この中で、国内サプライチェーンを守り、産業を発展させるための一つの方向性として「外需の獲得」が重要課題として挙げられた。

 研究会では、各産地や工程の強みを再認識した上で、最終製品や顧客のライフスタイルを意識したモノ作りへと転換する必要性を議論。風合いや肌触りといった日本の製造業が持つ価値を再定義し、海外の流行を捉える経営手法やデザインを効果的に活用した海外展開の戦略を検討する。

 第1回会合では、事務局から現状の課題と研究会の趣旨が説明された後、各産地や企業の特色に応じた海外展開のあり方、その障壁となるボトルネックについて意見が交わされた。今後は、具体的な製品群や有望な市場(国・地域)を整理し、産地企業が取り組むべき方向性や政府に求められる役割を明確にしていく方針だ。第2回は11月25日に開催予定。

 繊維産業は、世界的な人口増に伴い市場拡大が見込まれる一方、国内繊維産業は長年、商社やアパレル企業の企画に基づく委託生産が中心だった。そのため、各産地が高機能な糸や高品質な生地を生み出す優れた技術を持ちながらも、それを最終製品の価値として直接海外市場に展開する機会は限られていた。結果として、海外進出は一部の先進的な企業にとどまり、産業全体としての動きは鈍いのが現状だ。

 研究会はグループワーク形式を採用するため座長は置かない。参加メンバーは次の通り(敬称略)▽中島君浩(中伝毛織)、梶政隆(カジグループ)、高木義秀(福井経編)、佐藤正樹(佐藤繊維)、山下智広(エイガールズ)、篠原由起(篠原テキスタイル)、山本敏明(西染工)、楠泰彦(クスカ)、浅野雅己(浅野撚糸)、西村将弘(宇仁繊維)、白石正裕(ファッションしらいし)、森田芳弘(スタイレム瀧定大阪)、土屋旅人(タキヒヨー)。オブザーバーは▽富吉賢一(日本繊維産業連盟副会長兼事務総長)、奥山雅之(明治大学政治経済学部教授)、稲垣貢哉(信州大学特任教授)、宮浦晋哉(糸編)

繊維産業小委を11月4日に開催 産構審

 経済産業省産業構造審議会(経産相の諮問機関)は11月4日、製造産業分科会で第15回繊維産業小委員会を開く。議題は、繊維産地におけるサプライチェーン強靱化に向けた対応検討会の報告と資源循環ロードマップの進捗(しんちょく)報告(回収、技術基盤)。午前10時~午後12時にユーチューブで同時配信する。