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特定タンパク質低減加工SEKマーク 3社が取得

2025年10月29日 (水曜日)

 機能性繊維製品の性能を示す「SEKマーク」を認証する繊維評価技術協議会(繊技協)が新たに設定し、今年から認証を開始した「特定タンパク質低減加工SEKマーク」への注目度が高まっている。5月と8月の認証委員会を経て、小松マテーレ、積水マテリアルソリューションズ、シキボウがマークを取得した。

 特定タンパク質低減加工SEKマークは、繊維上の花粉・ダニ由来タンパク質の働きを低減する機能加工の性能を評価するもの。評価基準は国際標準規格「ISO4333:繊維製品上の花粉やダニ由来タンパク質等の減少度測定方法」に基づき認証する。試験対象タンパク質はスギ花粉由来、コナヒョウダニの排せつ物由来と虫体由来の3種類。

 特定タンパク質はアレルギーなどの原因物質と考えられているだけに、その働きを抑制する機能を示すマークへの関心は高い。衣料品だけでなく掃除機や空調機、空気清浄機などのフィルター材といった資材用途でも活用が期待されている。

 今年度の認証委員会は11月と2026年2月にも開催が予定されており、既に幾つかの繊維企業が申請に向けた動きを見せている。このためマーク取得企業は今後も増加する見通しだ。

 また、繊技協会員企業から認証試験対象となる特定タンパク質の種類拡大への要望も寄せられた。特にペット由来特定タンパク質への要望が多い。このため繊技協も対象特定タンパク質の拡大を検討し、マークのさらなる普及を目指す。

 一方、普及に向けて機能の訴求方法が課題となる。医薬品・医療機器以外で「アレルギー」「アレルゲン」「アレル物質」など具体的な疾病を明示もしくは暗示する文言を使用することは医薬品医療機器等法(薬機法)に抵触する。

 このため繊技協では、繊維だけでなく他分野にも特定タンパク質低減加工の情報を発信し、特定タンパク質とアレルギー原因物質の関係に関する認知度を高め、加工とマークの普及を図りたいとしている。