第4回ザ・メーカーズ・アパレルショー レビュー/進化続ける中国OEM・ODM企業 Vol.3

2025年10月29日 (水曜日)

提案商材の幅に広がり

 2024年2月の初開催から4回目を数える「ザ・メーカーズ・アパレルショー」。出展企業や提案商材の幅が広がり、今回はペット服などの打ち出しが目を引いたほか、インナー・ルームウエア関連も増えた。プロデューサー的役割を担う北京和霽商務策劃の翟鑫総経理は「商談会として発展を続けている」と語った。

 威海正其肆戸外体育用品は、ペット服を訴求した。元々アウトドアウエア専業だったが、2年前にペット用品の開発に乗り出し、ペット服などを威海市にある自社工場で生産する。中国国内で人気を得ており、展示商談会への出展で日本市場の開拓を目指す。

 ペット服は、機能性も付与する。夏向けでは冷感性を持つ生地や高通気の生地を採用するほか、防虫性も加味した。防虫機能は、ペットに害のない剤を欧州から輸入して繊維に付与する。商品バリエーションも広く、アウトドア用や写真撮影用のオートクチュールドレスなどを用意する。

 青島雅特美工藝品もペット用品を展示した。縫いぐるみの生産を行ってきた企業だが、新領域としてペット用の縫いぐるみ(おもちゃ)に進出した。現在は、ペット服を含めて、取扱商品を増やしている。山東省に自社工場を持ち、開発・提案、生産管理、輸出まで一貫で対応している。

 大連愛麗達服装は、ブラジャーなどのランジェリーやホームウエアを生産している。ワイヤーブラジャーだけでなく、ノンワイヤーブラやブラトップも扱う。専門のデザイン・パターンチームが最新のCADを駆使するなど、「企画力も強みの一つ」と強調した。

 全体の90%を日本市場向けが占めている。1997年の設立以来約30年の実績を持ち、「日本の企業が求めるものは分かっている。大連にある自社工場のスタッフの意識も高く、新たな顧客を開拓したい」と話した。短いリードタイムや品質などをアピールした。

 山東新華錦紡織は、ベビー服、ベビー用ルームウエアなどをそろえた。前身から数えて数十年にわたる歴史があり、「日本の顧客の要望に対応できる仕組みを構築してきた」と話した。山東省とカンボジアに自家工場を持ち、バングラデシュでは中国系の協力工場で生産する。

 トランプ関税の影響もあって日本向けを積極拡大する。日本向けは価格抑制への要求が強いという声もあるが、「日本に限らない。欧米市場もその他の市場も価格が厳しいのは同じ」とした。品質面では、中国人の管理チームがカンボジアに駐在して管理していると言う。