AFF大阪レビュー~日本の要望に応える(下)

2025年10月30日 (木曜日)

高まる対日拡大への熱気

 今回のAFF・大阪を訪れたバイヤーからは、「毎回来ているが、今回は特に対日拡大への必死さが各ブースでうかがえた」という声が上がった。通路に立ってバイヤーを自社ブースに呼び込み、日本語を流ちょうに話しながら熱心に商談する光景が各所で見られた。

 製品OEM・ODMの寧波合力国際貿易は自社工場2軒と協力工場で縫った製品を、全量日本向けに供給している。300枚からという小口対応力のほか、バングラデシュにも協力工場があるため価格対応力に秀でる点を訴求した。

 主力は婦人カジュアルと子供服。今回展で新規バイヤーから見積もりを依頼され提出したが、価格が合わなかった。次にバングラデシュ縫製を提案したが、「中国縫製がいい」と断られたと言う。さらに対応力を磨いていく。

 欧米向けを主力とするバングラデシュのBETTEXでは対日が年々増えており、売り上げに占める比率が30%を超えた。バングラデシュ国内に2軒の自社縫製工場を持つほか、インドにも自社縫製工場がある。年産3千万着を生産し低価格とQRが強み。「バイヤー数は少なかったが、新規獲得の手応えはあった」と話した。

 台湾資本の浙江四季襪業は中国、カンボジア、インドネシアの自社縫製工場で靴下を生産し、供給先は対日が10%。サンプル作成から出荷まで50日というQRと、500足からという小口対応を強みとする。メインの米国向けが「関税問題で厳しい」ため対日拡大に意欲を見せる。3回目の出展だが今回が最多の来場者だった。「新規が獲得できそう」と話す。

 製品OEM・ODMの山東佰宜紡織はAFFの常連組。対日が60%を占め、残り40%の「欧米向けが減る傾向」にある。今回は冷感や汗染み防止、疲労回復など機能性素材からの提案に力を入れた。「商社だけでなくアパレルとの直接貿易も増やしたい」とする。

 同展を訪れていた商社のあるバイヤーは「中国以外の国の縫製事情も知ることができた上、素材からの提案にも説得力があった。新規取引できそうな工場も幾つか見つけられた」と、AFF・大阪2025を振り返った。

 次回AFFは11月19~21日、東京ビッグサイトで開かれる。

(おわり)