第4回ザ・メーカーズ・アパレルショー レビュー/進化続ける中国OEM・ODM企業 Vol.4

2025年10月30日 (木曜日)

専門性打ち出す展示増加

 出展の傾向として、専門性を前面に出し、ターゲットを明確に絞って訴求する内容が増えている。

 沂水慧陽製衣は、ニットを中心とした製品を手掛け、年間生産量は約200万枚に上る。欧米や韓国、香港などに製品を供給しており、大手スポーツブランドとの取引も多いとする。

 日本向けは全体の10%ほどだが、「品質に対する要求が高い日本市場にチャンスがありそう」と、同展に初めて出展した。

 担当者は「当社は技術指導に力を入れているため、高品質のモノ作りを実践できる。機能性のニーズにも応えられる体制を発信し、スポーツ分野を開拓したい」と話した。

 隣にブースを構えた南京奇騰国際貿易も、スポーツやワーキングを得意とし、日本市場を開拓する契機として初出展を果たした。現在は全体の60%を欧米向けが占め、日本向けは約40%だが、日本向けの比率の向上を図る。

 主に織物製品を生産し、ミャンマーでも自社工場を操業している。圧着加工の技術も強みとして発信した。

 南通開発区煒賦対外貿易は、日本向けのビジネスで豊富な経験を持つ。主要な製品は織物の婦人服で、特にパンツを得意とする。百貨店や通販に向けた供給を担う。

 自社工場には、専門のパターン製作部門と小ロット対応のラインを設けた。きめ細かくニーズに対応しながら、価格訴求力も発揮する供給体制を整えている。

 上海鑫然繊維は裏地専門メーカーで、100を超える有名ブランドに採用された実績を誇る。中国内販向けも一部含むが、取引先の大半を日本企業が占める。

 裏地の用途はスーツ、レディースからスポーツ、カジュアルと幅広く、中国国内の提携工場に対しては、素材選定から仕上げまで一貫して管理する。後染めによる色ブレ防止やJIS(日本産業規格)基準の品質保証も行っている。

 揚州鼎秀進出口は帽子の専門メーカーで、ベースボールキャップ、ワークキャップ、バケットハット、ニット帽と豊富な種類を扱う。日本向けの輸出は30%で、他は欧米や豪州に向けて供給する。

 同展に以前、来場した際に出展者から「新規開拓の効果があった」と勧められたことから、自身も出展を決めた。自社工場で短納期ニーズに対応できる体制をアピールした。