第4回ザ・メーカーズ・アパレルショー レビュー/進化続ける中国OEM・ODM企業 Vol.5
2025年10月31日 (金曜日)
付加価値の提示がポイント
日本向けに適した高品質を打ち出す展示は多いが、差別化のため付加価値をどう示すかも重要なポイントになりそうだ。
嘉興市栄紡紡織品は、横編み専門のOEM/ODMメーカー。中国国内の自社工場と東南アジアの提携工場の生産能力を駆使し、小ロットから量産まで柔軟に対応する。ハイゲージを得意とし、カシミヤなどを使った高級品で強みを発揮する。
欧米や豪州に向けたビジネスで使用してきた企業ブランド「ROYTEX」を日本にも広げようと、日本で開かれる展示会に初めて出展した。〝試しに〟という雰囲気はなく、日本企業にアピールする準備を整えており、日本進出への〝本気度〟をうかがわせた。
「文化的な共通点が多く、生活スタイルも近い日本の市場にはチャンスが存在するはず」と期待を示す。
威海星禾国際商貿は、レディースを中心にセーターなどニット製品を手掛ける。100%日本向けのビジネスを行っており、製品は百貨店や電子商取引(EC)で販売される。
2023年設立と社歴は浅いが、短納期や価格要求に加え「日本市場で重視されるデザイン力も自信がある」としている。
嘉興市新穎進出口もニット生産を専門とし、企画から販売までを一貫して手掛ける。年間100万着の製品を輸出しており、供給先は日本を含め北米、北欧、英国、トルコ、インドと多岐にわたる。
社内でデザインや生産管理を担うチームが、国際的なファッショントレンドを追いかけながら、開発からアフターサービスまでを管理し、高品質を維持する。
メンズ、レディース、キッズの全カテゴリーでカスタマイズのサポートも請け負う。個別のニーズにきめ細かく対応し、OEM/ODMの差別化を図る。
杭州飛泰服飾は、バッグや帽子など多様なアイテムを製造する。出展内容がアパレル中心の同展にあって、ファッション雑貨やインテリア製品の打ち出しで独自性を発信した。
日本向けのビジネスは全体の約40%で、今後はその比率を高めるため初出展した。
日本市場の魅力に「ニーズの多様性」を挙げる。日本では現在、かわいさを強調した同社製造のバッグが売れていると言う。
24年3月に本格稼働を開始した自社工場の生産能力を生かし、幅広い種類のアイテムを供給する姿勢をアピールした。





