スタイレムと小塚毛織/カナーレジャパン設立披露会で/「ならではの価値」届ける
2025年10月31日 (金曜日)
スタイレム瀧定大阪(大阪市中央区)と小塚毛織(愛知県一宮市)は30日、7月に発足した両社の合弁織布工場、カナーレジャパン(同)の設立披露会を開いた。午前の部、午後の部合わせて取引先や関係者、メディアなど約60人を招き、新会社設立の意図や今後の方向性を説明するとともに、旧式シャトル織機9台を配する工場内を案内した。
カナーレジャパン社長の小塚康弘社長は、これまで小塚毛織と業務提携してきた織布工場、カナーレ(同)の“織物職人”足立聖社長との出会いをきっかけに、ションヘル製シャトル織機によるモノ作りへの関心を深め、今回の合弁会社設立に至ったと振り返った。
シャトル織機で作るファンシーツイードは世界的に希少性が高いが、1台で一日10~20㍍しか織ることができず生産性は低い。後世に残していくには自社だけでは販売面などで限界があると思い、スタイレムとの協業によってそれを解決できると考えたと話した。
スタイレムの瀧隆太社長は、「当社は『ならではの価値』を追求している。その中で小塚毛織さんやカナーレさんが作る生地を知る機会があり、営業現場の要望を受ける形で協業を即決した」と経緯を説明した上で、「世界中の顧客がワクワクするような価値を提供していきたい」と抱負を述べた。
合弁会社設立を発表した際の業界の反響は大きかったと言い、「ビジネスのボリュームという点では確かに大きくないが、価値のあるものを作り、売り、残していくことが当社の存在意義だ」と強調。「これを皮切りに日本の優れたモノ作りを守ろうとする流れが広がっていくことに期待したい」とあいさつを締めくくった。
7月の稼働開始以降、80%ほどが順調に稼働しており、国内外への販売も始まっている。小塚社長は「期待も不安も大きいが、足立さんという素晴らしい職人の物語を残していくために、挑戦を続けたい」と語った。





