東伸工業/シングルパス式を開発/島精機から製品IJを譲受

2025年11月04日 (火曜日)

 【シンガポール10月31日=星野公清】東伸工業は、捺染機の対応幅を拡充する。「ITMAアジア+CITME シンガポール2025」では、シングルパス式のインクジェット捺染機(IJ)の開発に着手したことを発表したほか、島精機製作所から事業を譲受するDTG(ダイレクト・トゥ・ガーメント)機などにも参入する。

 スクリーンプリント機の開発を継続していくとともに、IJ機の展開も拡充して、捺染機を総合的に展開していく。IJ機では、中国最大手のATEXCO(アテスコ)と合弁会社を設立して協業を進めているが、東伸工業としてのIJ機の開発も継続する。

 ITMAシンガポールでは、新たにシングルパス式IJ機「mm9」の開発を進めることを表明した。毎分60㍍の速度で、プリント幅は1800~3200ミリ。協業するアテスコもシングルパス式を展開しているが、アテスコ製は京セラのヘッドを搭載するのに対し、東伸工業製はエプソン製にしてすみ分ける。

 これまでの捺染機販売は、ロール・トゥ・ロールの染色加工場向けが主力だったが、電子商取引(EC)などで関心が高まる製品IJ機にも参入する。島精機製作所からSIP事業を譲受する予定で、技術サポートやインクの販売なども引き継ぐ。

 フィルムにデザインを印刷し、衣類などに転写するDTF(ダイレクト・トゥ・フィルム)機「into」シリーズの販売も始めた。前処理なしでTシャツなどへの印刷ができる。